未来に夢を! 「タケコプター理論」





先日テレビを見ていると、何の番組だったか忘れてしまったが

「『ドラえもんのタケコプター』は航空力学の理論上実現不可能な機械だ。」

などと「航空力学博士」が宣っていた。



そんな事最初っから解りきっているではないか。


あんなちっちゃな「プロペラ」で空なんか飛べるわけがないのだ。


そんな事は今時「子供でも」わかっていることである。


それを解っていながらも、今の子供達は「未来に夢を描いて」ドラえもんのタケコプターを見ているのだ。



と、テレビを見ていた俺は、その某「航空力学博士」に突っこんだ。



まあそれはそうとして、突っこんでばかりいたんじゃ「批判ばかりする政治評論家」と何ら変わらないので、ここは一つ俺が想像した

「タケコプターの原理とその正しい使用方法」

について述べてみようと思う。







 「タケコプターの原理」




まず最初に言っておかねばならない事がある。


「タケコプター」についている「小さなプロペラ」は、それ自体で飛ぶための物ではなく「タダの飾り」である。


「20世紀」にノスタルジックな気持ちを抱く「未来の人」が、空を飛ぶ道具としての「雰囲気」を醸し出すために、必要はないが敢えて取り付けた飾りである。


従って、先に述べた「航空力学博士」の言動などは「的はずれもいいところである」ということになる。



次に、では「何で空を飛べるのか?」について語る事にしよう。


「タケコプター」の飛行原理は、かねてから「UFO」などにも使われている「反重力装置」または「重力安定装置」などと呼ばれる「重力コントローラー」で空を飛ぶ事が出来るのだ。


その「重力安定装置」を「頭」に取り付ける事により、脳から送られてくる情報を「タケコプター」に内蔵された「超小型コンピュータ」が即座に解析し、それによって得られた情報を「重力安定装置」の「コア」となる「操舵装置」へと伝える事によって、自由に空を飛行する事が出来るのだ。



勿論「タケコプター」に飛行技術などはいらない。


ちょっとした「コツ」さえ掴んでしまえば誰でも空を飛べるのだ。


その「ユーザビリティ」を支えているのは、先にもちょっと書いたが「脳から送られてくる情報」を解析する「超小型コンピュータ」である。


そう、勘のいい方ならもうおわかりである。


その技術の原理は「究極の思考誘導」技術である。


頭で思い描きさえすれば、自由に思った通りの飛行が出来てしまうのだ。


さすが「ドラえもん」を量産できる「未来」の技術、感服である。


これで今日の今日まで皆さんが抱いていた

「どうしてあの「鈍くさいのび太」でも「タケコプター」を使えば自由に空を飛べるのか?」

といった疑問も解消された事であろう。



では「脳を持たないロボットの「ドラえもん」はどうやって「タケコプター」をコントロールするのか?」との疑問を持たれた方にはこうお答え致しましょう。


専用の端子で接続する事によって「ドラえもん」内部のCPUから送られた情報を「タケコプター」が処理して飛行する事が出来るのである。






 「タケコプター」の正しい使用方法




ユーザビリティを追求して設計・開発された「タケコプター」の使用方法については難しい説明書や、難解な使用マニュアルなど読まなくても「一度装着してみれば」誰でもすぐに使いこなせるようになる。



但し「一つだけ気を付けなければいけない」事があるのでそれをここで述べておかねばなるまい。

それは‥‥




「カツラ(アデランスやアートネーチャー)」を被っている人は、必ず「カツラ」を外して「タケコプター」を装着してください。



もし「カツラ」を付けたまま装着してしまうとどうなるかというと‥‥


数百万円の大枚を払って作った「高価なカツラ」はタケコプターと一緒に頭から外れ飛んでいってしまいます。



「カツラ」と一緒に頭から外れた「タケコプター」は、脳からの距離が離れて遠くなってしまったため「思考誘導」でのコントロールが不可能になってしまい「ノーコンになったラジコンカー」のようにどこかへ行ってしまう事でしょう。


そうなってしまえば大事な「高価なカツラ」と「タケコプター」はもう元には戻らない遙か彼方へと飛んでいってしまいます。

ご使用に当たっては、特にこの点のみ十分にご注意下さい。